衆院は10日午前、国家戦略特区を利用した学校法人「加計かけ学園」の獣医学部新設を巡る問題などについて閉会中審査を行った。

 参考人として出席した前川喜平・前文部科学次官は「(特区を担当する)内閣府が仕事を進めるにあたり、背景に首相官邸の動きがあったと思っている」と語り、獣医学部新設は首相官邸側の意向であるとの認識を示した。山本地方創生相は、手続きは適正に行われたと反論した。内閣府と当時の文科省の対立が改めて浮き彫りになった。

 閉会中審査は衆院の文部科学、内閣両委員会の連合審査の形で行われた。

 野党側参考人の前川氏は、国家戦略特区の手続きについて「不公平、不透明な部分がある」と述べた上で、「初めから加計学園に決まるようにプロセスを進めてきたように見える」と訴えた。政府は2015年、獣医学部新設にあたり「既存の大学・学部では対応が困難」などの4条件を設定したが、前川氏は「4条件に照らしても十分な議論がされていない」と批判した。和泉洋人首相補佐官から、手続きを急ぐよう働きかけられたとも強調した。山本地方創生相は「個別に安倍首相が指示することは制度上あり得ない」と述べ、首相の関与を否定した。

 萩生田はぎうだ光一官房副長官が加計学園の選定を示唆したとされる昨年10月7日付の文科省の内部文書について、前川氏は「目にした」と主張。文科省はこの文書の存在を否定しており、萩生田氏はこの日の質疑で「記憶にない」と述べた。

 一方、与党側の参考人として出席した政府の国家戦略特区ワーキンググループの原英史委員は「ワーキンググループは岩盤規制改革に真摯しんしに取り組んできた。利益誘導に加担したかのように言われるのは残念。『加計ありき』という指摘は全くの虚構だ」と語った。

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http://yomiuri.co.jp/politics/20170710-OYT1T50059.html
閉会中審査で答弁する前川喜平・前文部科学次官(左)。右は松野文科相、中央は山本地方創生相(10日午前)=中村光一撮影
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