大腸がんの内視鏡検査を行う際に、人工知能ががんを見つけて医師に知らせるシステムを国立がん研究センターなどが開発し、人による見落としを防ぐ技術として注目されています。

国立がん研究センターと大手電機メーカーのNECは、医師が内視鏡の画像を見ながら大腸がんの検査を行う際に、人工知能が画像を解析し、がんになる前のポリープやがんを見つけて即座に知らせるシステムを開発しました。

このシステムでは、人工知能が異常を見つけるとチャイムが鳴り、画面上に緑色の丸印で位置を医師に知らせます。
使われている人工知能は、正常な大腸の画像と大腸がんの画像など合わせて14万枚をディープラーニングという最新技術を使って学習していて、98%の確率でがんを見つけることができるということです。

平成26年の国内の大腸がんによる死亡者数はおよそ5万人と、がんの中で2番目に多くなっています。
国立がん研究センターによりますと、海外では、大腸がんの内視鏡検査でがんを24%見落としたという報告があるということで、2年後をめどに臨床試験を行い、実用化を目指したいとしています。

国立がん研究センター中央病院内視鏡科の斎藤豊科長は、「大腸がんは検査で見落としが多いとされ、人工知能で補うことで死亡率の低下につなげたい」と話していました。

7月10日 17時56分 (動画あり)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170710/k10011052571000.html?utm_int=news-culture_contents_list-items_001