赤く染まる東京湾
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千葉市など東京湾北部の沿岸部で、プランクトンが大量に発生して起きる赤潮が確認されました。
千葉県は「強い日ざしと海水温の上昇で起きたと見られるがこれまでのところ、漁業などへの被害は確認されていない」と話しています。

千葉県によりますと、今月初めごろから千葉市など東京湾北部の沿岸部でプランクトンが大量に発生し、赤潮が起きているということです。
原因となっているのは、植物プランクトンの一種で、えらに大量につくと魚が呼吸困難になるおそれがあるということですが、これまでのところ漁業への被害は確認されていないということです。

NHKのヘリコプターが10日午後2時前、千葉市の海岸付近を上空から撮影した映像では、海岸沿いの海水が赤茶色になっているのが確認できたほか、砂浜に寄せる波や、海上を進む船の波も赤茶色に見えます。

千葉県環境研究センターの飯村晃主任上席研究員は「強い日ざしや海水温の上昇でプランクトンが増殖すると起きる自然現象の1つだが、今回発生しているプランクトンは有毒なものではなく、健康被害や漁業への影響はないと考えている」と話しています。

■海岸には魚や貝などの死骸も

東京湾の千葉港に臨む千葉市内の公園では、赤黒く濁った波が立ち、波打ち際には魚や貝などの多くの生物の死骸が打ち上げられていました。
市内に住む高校2年生の男子生徒は、「近くの駅を降りたとたん、いつもと違った臭いがすると気づいた。魚などが海岸に多く死んでいて驚いた」と話していました。

船橋市内から訪れた10代の女性は、「海が濁っているなと思ったが、地元ではないので赤潮のせいだと気付かなかった。もっときれいな海が見たかったです」と話していました。
公園を管理している塚原緑地研究所の斉藤久芳さんは「梅雨になると赤潮になることはあるが、ここまでひどいのは初めてです。きょうは天気もよいので、ふだんのきれいな海を見てもらえなくて残念です」と話していました。

■水質研究のNPO法人「しばらく続く可能性」

東京湾の水質を研究しているNPO法人三番瀬環境市民センターの小埜尾精一さんは「大量に発生した植物プランクトンが死んだり、生き物が死んだりしたことに加え、高温のため海藻のアオサが打ち上げられたのが臭いの原因と考えられる。
高い気温や南西からの風が続けば千葉市などの沿岸では赤潮がしばらく続く可能性がある」と話しています。

配信 月10日 18時14分
NHK NEWS WEB
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