「私自身、古墳群が世界遺産でないのが不思議で仕方ないです」(堺市 ハニワ課長)
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 10日、福岡県の宗像・沖ノ島が世界遺産に登録されることが決まりましたが、大阪で世界遺産を目指し続けているのが「百舌鳥・古市古墳群」です。これまで国内予選で3回落選しているんですが今年も再挑戦。落選続きなのに、なぜか松井知事は「今年はいける」と自信を見せています。
 さまざまな「秘策」を講じたというのですが、大阪の思いは届くでしょうか。

 10日、世界遺産への登録が決まった「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」。

 「最高、最高!これからみんなで祝杯をあげに行こうと」(男性)

 喜びに沸く福岡の様子を複雑な表情で見つめていたのがこの人です。

 「私自身、古墳群が世界遺産でないのが不思議で仕方ないです」(堺市 ハニワ課長)

 ハニワ課長がPRしてきた「百舌鳥・古市古墳群」。大阪初の世界遺産を目指し、これまで3度名乗りを上げるもいずれも国内予選で敗退。去年の落選時には頭が割れそうになったというハニワ課長ですが、今年こそは自信があるといいます。

 「粉骨砕身、頑張ってきましたので。粉骨といっても骨はないんですけど」(堺市 ハニワ課長)

 世界遺産を目指す今年の「日本代表」が決まるのは今月末。運命の日が近づく百舌鳥・古市古墳群を訪ねてみると…

 「堺市の仁徳天皇陵です。緑に囲まれ厳かな雰囲気ですが、世界遺産の登録に向け正念場を迎えています」(神崎智大記者リポート)

 古墳群を代表する存在の仁徳天皇陵。世界遺産への地元の期待は年々高まっているといいます。

 「(世界遺産に)なってほしいですね。何回も落ちてる理由がはっきりしてればいいんですけど、なんかうやむやなんで」(地元の人)
 「(世界遺産)なってほしいよ。『物の始まりはみんな堺』って言うんやから。通るように拝んどく」

 「こちらが観光案内所ですね。入口では『世界文化遺産を大阪へ』とPRしています」(神崎智大記者リポート)

 観光案内所のお土産コーナーでは古墳の形をしたメモ帳が人気だといいます。そして今年から新たに始まったのが…

 Q.古墳の写真を撮ってきたんですけど…
 「カード交換ですね、じゃあこちらで拝見させてもらいますので」

 現地で撮ってきた古墳の写真を見せると、その古墳を紹介するカードがもらえるという取り組み。カードは全60種類、1日で大半をコンプリートした猛者もいるといいます。

 悲願達成を目指す大阪。その秘策のひとつが申請する古墳の数を以前より減らしたことだといいます。

 「古墳を見たときに本来こういう形だったなと推測できるものについては構成資産として残す。できないものは(申請に)含めないという形で10基を減らすことになりました」(大阪府文化財保護課 三次玄さん)

 そのひとつが「狐山古墳」。溺れかけた人間を助けて命を落としたキツネが葬られたという伝説がありますが、保存状態に難があるとされ、今回申請から除外されました。一方、キツネとともに影響を受けそうなのが…昼下がりのお濠を気持ちよさように泳ぐタヌキ。
 堺市北区の「いたすけ古墳」には10匹ほどのタヌキがすみ着いています。この古墳も世界遺産に申請されていますが、国から「木が育ちすぎている」との意見が出たため、堺市が伐採を計画。タヌキの生活に影響が出るのではと地元の人が心配しているのです。

 「ここのアイドルよ。ちっちゃい子もみんなやもんな。なくてはならない動物、子どもみたいなもんよね」(地元の人)

 大阪の「秘策」はなんと、東京にも。

 「いま山手線外回りの列車が入ってきました。書いてますねー古墳へGO!古墳へGOです!各車両に謎のおじさんの写真が載ってます。百舌鳥古墳群を世界文化遺産に!レキシも応援しています」(三澤肇解説委員)

 古墳群のPRのため山手線の車両に広告を掲載。ヒゲの男性(レキシ)は応援大使のミュージシャンだといいます。ただ、広告としては少しわかりにくかったようで…

 「大阪のことを東京でやっているわけですか。『古墳へGO』…なんだろうと思います」 

>>2以降に続く

配信 07/11 20:21
MBSニュース
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