北海道羽幌町と三笠市で見つかったアンモナイトの化石が、ともに約8360万年前(白亜紀後期)の新種だったと、三笠市立博物館が11日、発表した。

 見た目から、ラテン語で「かなり緩い巻き髪」を意味する「ユーボストリコセラス・ヴァルデラクサム」と名付けた。

 化石は5個(長さ約9・6〜19・2センチ)で、バネを引っ張ったようならせん状。小学校教諭の大和治生はるのぶさん(56)(札幌市手稲区)が2005年6月に羽幌町の沢で3個、07年8月には三笠市の崖で2個見つけ、08年、同館に寄贈した。

 研究に携わった相場大佑学芸員(27)らは、国内外の標本と見比べ、同じ形をした物がないために新種と断定。同じらせん状をしたグループの1種(約9390万〜約8980万年前)と特徴が似ていることから、約620万年後に進化した「子孫」と考えられるという。

 相場さんは記者会見し、「約620万年の『空白期間』を研究し、進化の歴史を解明したい」、大和さんは「新種と分かり、すごくうれしい」と語った。

 研究成果は、日本古生物学会の国際誌に掲載された。15日から同館で展示する。

http://yomiuri.co.jp/science/20170712-OYT1T50027.html
新種と判明したアンモナイトの化石を手にする大和さん(左)と相場さん(11日、三笠市立博物館で)
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