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国連がおととし定めたSDGs=持続可能な開発目標について、その達成状況を検証する会合が始まり、グテーレス事務総長は、気候変動が食糧と水の不足などを加速させていると指摘し、地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」の履行を強く求めました。
国連は、おととし9月、貧困や格差の解消、それに気候変動への対応などを目指す2030年までの持続可能な開発目標SDGsを採択しました。

17日からは、この目標の達成状況を報告し開発計画を提出する会合がニューヨークの国連本部で始まりました。会議に先立って、グテーレス事務総長は、「人口の急増や食糧と水の不足、それに急速な都市化は相互に関連しており、気候変動がそれらを加速させている」と指摘し、各国に対して、SDGsを達成するためにも地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」を履行するよう強く求めました。そのうえで、グテーレス事務総長は「世界経済の将来は、環境重視の経済にかかっており、これに投資しないものは世界経済の指導力を失うだろう」と述べて、パリ協定からの脱退を決めたアメリカのトランプ政権を念頭に、エネルギー政策の転換を促しました。

会合は、3日間の日程で、日本の岸田外務大臣を含む合わせて44か国の閣僚が報告を行う予定で、国連は、会合の結果を踏まえて目標達成への取り組みを強化していきたい考えです。
SDGsとは
SDGsは「持続可能な開発目標」という意味で、「サステイナブル・ディベロップメント・ゴールズ」の頭文字をとったものです。2015年の国連サミットで193の加盟国の全会一致で採択された2030年までの世界の持続可能な発展を目指す長期的な開発目標で、国連が2000年から15年間にわたって取り組んできた「ミレニアム開発目標」に続くものです。

ミレニアム開発目標が途上国の開発に焦点を当てたのに対して、SDGsは、先進国を含むすべての国に対して豊かさを追求しながら、地球を守るための行動を求めている点が特徴です。具体的には17の目標を設定し、この中には、貧困や格差の解消、女性の社会進出の促進、教育の完全な普及など人々の権利や生活の向上に関するものから、資源や環境に配慮した生産や消費、地球温暖化対策など、持続的な成長に関するものまで多岐に及んでいます。

目標には法的拘束力はなく、達成状況をはかる方法も各国に任されていますが、国連サミットでの採択を受けて各国は目標の達成に道義的な責任を負うことになります。国連は各国に対して、目標の達成状況を報告するよう促していて、去年22か国が開発計画を提出したのに続いて、ことしは日本を含む44か国の閣僚が計画を提出することになっています。

7月18日 5時11分