http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170718/k10011062731000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_025

あらゆるものをインターネットにつなげる「IoT」の普及が進む一方で、これを悪用したサイバー攻撃にどう備えるかは、大きな課題となっています。こうした中、横浜国立大学で、家庭を再現した特殊な実験室でIoT家電のリスクを調べる研究が始まりました。
「IoT」は、「インターネット・オブ・シングズ」の頭文字をとった言葉で、あらゆるものをインターネットで結ぶことで、家電製品を外から操作するなど、さまざまな活用が期待されています。一方で、IoT機器を狙ったウイルスもすでに広がっていますが、こうしたウイルスがどのように家庭内に入り込み、どのような影響が出るかといった詳しい分析は進んでいません。

このため、横浜国立大学の吉岡克成准教授らの研究グループでは、家庭のリビングを再現した特殊な実験室を設けて実態を調べる研究を始めました。この施設には、テレビやロボット掃除機など20種類のIoT家電が置かれ、通信の状況をすべて記録できるようになっています。実際、実験開始とともに不審な通信が世界中から届き、今後こうした通信を分析して家庭を狙ったサイバー攻撃の実態を把握したいとしています。また、製品の弱点を確かめるため、模擬のサイバー攻撃を仕掛けることもできるようになっています。

吉岡准教授は、「家庭で使われるIoT機器の安全対策は重要である一方、検討するための基礎的なデータすら今は十分に集まっていない。こうした攻撃がどれだけ現実に迫っているか実態を明らかにしたい」と話しています。

7月18日 4時38分