2017年7月19日13時08分
http://www.asahi.com/articles/ASK7M3HBZK7MPTIL00F.html
日本年金機構の前身の旧社会保険庁から盗み出した年金加入者の個人情報を元上司のOBに渡す見返りに現金を受け取ったとして、大阪府警は19日、同府熊取町自由が丘2丁目、同機構淀川年金事務所の元職員葛西康祐(くずにしこうすけ)容疑者(39)=懲戒解雇、窃盗容疑で逮捕=を加重収賄の疑いで再逮捕する方針を固めた。一方、元上司は占師をしており、客には個人情報を盗み出された加入者が複数いたという。
捜査関係者によると、葛西容疑者は旧社保庁に勤務していた2009年ごろ、職場のパソコンを使って加入者の氏名や住所などの個人情報を書面に印刷して大阪市天王寺区上汐(うえしお)3丁目、無職松島功(いさお)容疑者(50)=窃盗容疑で逮捕=に渡し、見返りとして数回にわたり現金計十数万円を受け取った疑いがある。
松島容疑者の贈賄容疑については公訴時効(3年)が成立しているという。
2人は男女20人分の情報を盗み出したとして先月29日に窃盗容疑で逮捕されたが、府警はさらに個人情報を盗んでいたとして、19日にともに新たな窃盗容疑でも再逮捕する方針。
同機構によると、松島容疑者は07年に旧社保庁を退職。在職中は葛西容疑者と同じ大阪市内の事務所で約2年間勤務していた。
捜査関係者によると、松島容疑者は退職後に「岩城延周」の名前で占師をしており、客には情報を盗み出された加入者が複数いたという。松島容疑者はほかにも行政書士や探偵業をしていた。府警は盗まれた個人情報が悪用されていたとみて調べている。