国会は24日午前に衆院、25日に参院の予算委員会で安倍晋三首相らが出席して閉会中審査を開く。
野党は学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画の経緯や、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題について徹底追及する構えで、首相は一連の疑惑を払拭できるか正念場を迎える。

首相は、東京都議選の自民党大敗や内閣支持率低下を受けて「ソフトに対応する」として強気の答弁を封印し、誠実に説明責任を果たす姿勢を示している。
予算委には「行政がゆがめられた」と主張する前川喜平前文部科学事務次官と、前川氏が「首相は自分の口からは言えないから、私が言う」と自身に速やかな対応を指示したとしている和泉洋人首相補佐官が参考人として出席する。
和泉氏は「発言した記憶はない」として証言が食い違っており、どちらに説得力があるかも注目される。

先週末には、山本幸三地方創生担当相が愛媛県今治市で加計学園の獣医学部新設が決まる2カ月前に日本獣医師会幹部に四国設置を言及したとされる報道が相次いだ。
すでに山本氏と獣医師会側は「京都についても言及していた」と共通しているが、山本氏は改めて「加計ありき」ではないと説明する考えだ。

日報問題では、稲田朋美防衛相や岡部俊哉陸上幕僚長らが出席した2月15日の幹部会議で、日報の電子データが残っていながら非公表とする決定を、稲田氏が了承したかが焦点だ。
稲田氏はこれまで、同日の幹部会議の開催と電子データの非公表を了承したことのいずれも否定している。
これに対し、民進党の蓮舫代表は「大臣の任に値しない」と稲田氏の罷免を求めており、野党は首相の任命責任にも言及するとみられる。

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