月に想定以上の「水」か、水分閉じ込めたガラス玉が広く分布
2017.07.25 Tue posted at 11:23 JST

(CNN) 月の表面に水分を含んだ「ガラス玉」が広く分布している痕跡が、
衛星画像解析によって発見されたことが25日までに分かった。米ブラウン大学の
研究チームが科学誌ネイチャー・ジオサイエンスに論文を発表した。これまで確認されていた
以上の水が月に存在する可能性があるという。

研究チームによると、火山の噴火で月面に噴出した古代の火山灰や岩石に含まれる
ガラス玉の中に、水分を閉じ込めている痕跡が見つかった。

水の痕跡は、ほぼ全ての堆積(たいせき)物で発見されたといい、月の内部の広い範囲に
水分が分布していることをうかがわせると研究者は解説。今後の月面探査で火山の堆積物から
水を採集できる可能性もあるとしている。

ガラス玉に含まれる水の量はごく少量にすぎないものの、火山の堆積物に覆われた範囲は
数千平方キロ、深さは数キロにも及ぶと推定され、「これまでに確認されていた以上の
水がある」と研究者は推測する。

水分を含む結晶は、太陽風が高高度で水素に作用してできたと推測される。月の極点にも
少量の氷があるという。

米航空宇宙局(NASA)が月面を探査した「アポロ計画」がスタートした1960年代
当時、月に水はないと考えられていた。

しかし2008年になって、1971年のアポロ15号と72年の17号が持ち帰った
火山ガラスの中から、水分を含んだ小さな結晶が見つかった。

ただ、そうした結晶が月面全体に分布しているのか、それともごく一部にとどまる例外的な
現象なのかは分かっていなかった。

そこでブラウン大学の研究チームは、インドの月探査機「チャンドラヤーン1」に
搭載された画像分光器が2008年にとらえた月面の画像を改めて解析。その結果、
月全体に分布している火山堆積物のほぼ全てから、ガラス玉の痕跡が見つかった。

https://www.cnn.co.jp/fringe/35104731.html