安倍晋三首相(自民党総裁)は3日、内閣改造・党役員人事を行う。全19閣僚と党の新執行部の顔ぶれが固まった。党で政策立案の司令塔となる政調会長に岸田文雄外相(60)を内定。文部科学相には林芳正元農相(56)、経済再生担当相には茂木敏充政調会長(61)を起用。茂木氏は安倍内閣が新たな看板政策に掲げる「人づくり革命」も担当する。首相と距離を置いてきた野田聖子元総務会長(56)は総務相として入閣する。

 首相は今回の人事で、自らに近いとされる議員を重要ポストから減らした。また、6人を初入閣させ、党内の不満を吸収し、挙党態勢を築くことを意識した。首相官邸で人事の調整を進めた2日夕、官邸を出る際、内閣改造への意気込みを問われ、「しっかり考えていきたい」と語った。

 初入閣する6人のうち、江崎鉄磨元副国土交通相(73)が沖縄・北方担当相兼消費者行政担当相に内定。環境事務次官を務めた中川雅治元参院議院運営委員長(70)が環境相に、自民党の小此木八郎国対委員長代理(52)が国家公安委員長兼防災担当相に、松山政司参院国対委員長(58)が1億総活躍担当相に就任することが固まった。斎藤健副農相(58)、梶山弘志政調会長代理(61)も入閣する。

 初入閣以外では、上川陽子元法相(64)が再び法相に、河野太郎前行政改革担当相(54)は外相に内定。鈴木俊一元環境相(64)の入閣も固まった。加藤勝信1億総活躍担当相(61)も閣内にとどまる。小野寺五典元防衛相(57)の防衛相への再起用もすでに内定している。公明党の石井啓一国交相(59)は同党の意向も踏まえ留任する。

 麻生太郎副総理兼財務相(76)、菅義偉官房長官(68)ら政権の「骨格」は維持し、ロシアとの経済協力を担当する世耕弘成経済産業相(54)も留任する。4月に就任したばかりの吉野正芳復興相(68)も続投する。

 政調会長以外の党役員人事では、総務会長に竹下亘国対委員長(70)、選対委員長に塩谷立元文科相(67)が内定した。二階俊博幹事長(78)と高村正彦副総裁(75)は留任する。

 竹下氏の後任の国対委員長には森山裕前農相(72)を充てる。

 幹事長代行に内定した萩生田光一官房副長官(53)の後任には、西村康稔総裁特別補佐(54)が就く。参院の野上浩太郎官房副長官(50)、事務の杉田和博官房副長官(76)は留任する。【田中裕之、小田中大】

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