技能実習先、違反4000カ所=16年、低賃金など−厚労省
2017年08月09日18時35分

 外国人技能実習生の受け入れで低賃金や違法残業などの違反があったとして、2016年に
是正勧告を受けた事業所が全国で4004カ所に上ったことが9日、厚生労働省のまとめで分かった。
外国人労働者の増加を背景に、前年より309カ所(8.4%)増え、統計の残る03年以降で
最多となった。
 内訳は、違法残業が最多の24%で、危険防止措置の未実施が19%、割増賃金の不払いが
14%など。実習生からの通報で17人に対する2400万円の不払いが発覚した事業所もあった。
 悪質なケースとして、労働基準法違反などで摘発されたのは40件。ある縫製業者は
「国民年金積立金」名目で給与から差し引いていたほか、別の縫製業者は4人を月給6万円程度の
低賃金で働かせながら、企業を指導する立場の監理団体代表とともに虚偽帳簿を作ったり、
立ち入り検査を妨害したりして逮捕された。
 退職の意思に反して無理やり働かせる強制労働、暴行・監禁、旅券取り上げといった
人権侵害が疑われるとして、各地の労働局が入国管理局と合同で調査した事業所は23カ所あった。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017080901097&;g=soc