千里の馬のけん引者はもちろん金日成首相。三日前、帰還者代表百五十人と向かいあった
金首相はちっとも飾りけがなく、親切な町会長が隣近所の人と笑いながら世間話をしているようだった。

「金将軍はわれわれの偉大なダムだ。遅れ、落ちぶれた民族を組織してたくましい
民族エネルギーをたくわえてくれたダムだ」とある人はこういった。
 深夜の町で酔っぱらいなど一人もみることができない。
真夜中雪の道を行くのは交代の労働者だ。寒さしのぎに
「金日成の歌」を歌いながら工場へ歩いていく。(入江特派員)

1959年12月25日朝日新聞朝刊

金日成は素晴らしい北朝鮮は地上の楽園報道を繰り広げた朝日新聞はどの口で日本が北朝鮮化したとか言うのか。