銀行など日本の金融機関は、『他に融資先や投資先が無いから』、
仕方無しに国債を大量に買って保有している。

金利が低いので利益率は低いけど国債持ってたら、
「日銭を稼げるから何もせんよりはマシだから国債でも買っておこうか。
よその金融機関や保険会社も買ってるしな」
というあまり積極的では無い、あまり好ましくない理由で国債を買って大量に保有してる。

日本はプライマリー・ディーラー制と言ってプライマリー・ディーラーの大口購入者で特定少数の金融機関や保険会社が、
財務省からまず独占的に国債を購入出来る制度がある。
プライマリー・ディーラーは「十数社」ほどいるらしい。

それで何となく「仲間意識」があるらしくて
「よそが買うから、俺んところも買っておこうか」
「みんな、国債が下がらないよね、みんな国債を買うよね?じゃあ、うちも買っておこう」のように、
プライマリー・ディーラー間で阿吽の呼吸みたいな面もあるようだ。

*(これまで海外のヘッジファンドが仕掛けて国債の価格を下落させようと何度もして来た。
その度に日本の金融機関などが国債を買い支えて「撃退」して来たのは確かだ。

しかし、それは別に「愛国心」に燃えたわけでは無く(そういう面も多少あるかもしれないが)、
国債の価格が下落すると、国債を大量に保有している自分のところの会社の自己資本比率が低下してしまうから。
(自己資本比率は、海外の取引で8%、国内だと4%以上必要。
例えば7%になると、金融庁の監督が入り『頭取の首が飛んでしまう』。

通常各金融機関は、自己資本比率に余裕を持たせているが、
自己資本比率が低下してくると、まず融資を抑制する。その次には貸し剥がしを行う。
そのため、資金繰りの悪化や倒産する企業が増え、労働者もリストラされる。『不況』になる)

だから、これまで海外のヘッジファンドの仕掛けを日本が撃退出来ていたのは、
日本の金融機関が「他に貸し手が無くて、たまたま国債を大量に保有してた」
というあまり好ましく無い理由によって。)

逆に言うと、プライマリー・ディーラーの間で「みんな、国債の価格が下落するんじゃない?みんな、売るよね」ってなったら、
日本の各金融機関もドンドン国債を売りに行くことになる。
(金利と10年ものなどの長期国債の価格は連動してて、金利が上昇すると国債の価格が下落する。
金利が上昇するほど、現在大量に国債を保有している日本の金融機関の自己資本は大きく毀損してしまう。)

そうさせないようにするため、『日銀』は国債を買い支えて、価格が下落しないように、
金利が上昇しないようにしている。
『マーケットに日銀の他、国債の買い手がいなくなっている』こともあって。
(日本の金融機関などが国債を買うのは『最後は日銀が買ってくれるだろう』と信じているからもある)

毎年赤字を垂れ流すのを繰り返す政府のために、金利の上昇を抑制するために、日銀は国債を買い支えていて、
そのたび毎に紙幣を刷ってお金を渡すから、
ドンドンと「通貨の流通量が増えて物価が上昇」するので『急激なインフレ』が起こるリスクがある。

という訳で、日本の金融機関などが
国債を大量に買い保有する状況に現在たまたまなっているだけで、
将来的にはどうなるか分からない。
(実際その動きがもう出ていて、あるメガバンクが「プライマリー・ディーラーから降りる」とか言ってみたり、
「メガバンクでは国債の割合を減らしている」と聞く。
おそらく日本の国の借金は膨大でこれから膨らんで行くから、
「『このまま国債を持っていたら、自分ところの会社も危ないんじゃないか?』
と懸念しているからだろう」と思う) (続くかも)