佐賀市内の自民党8支部でつくる市地域協議会(会長、嘉村弘和市議)は11日に会合を開き、同市長選(10月8日告示、15日投開票)に4選を目指して立候補表明した現職の秀島敏行氏(75)の推薦願を党県連に申請しないことを決めた。陸上自衛隊オスプレイの佐賀空港配備計画を巡り、容認する自民党側と慎重姿勢の秀島氏と見解が一致しなかった。

 会合は非公開で、自民党県連幹部や秀島氏も出席した。関係者によると、配備計画への賛否を問われた秀島氏は「空港の自衛隊との共用を否定した公害防止協定覚書付属資料の整理が先だ」と、従来の慎重姿勢を崩さなかったという。

 会合後、嘉村会長は「全会一致を目指したが推薦に反対する意見があった。再協議はせず、党県連に推薦願は上げない」と話した。

 ただ、嘉村会長が支部長の旧佐賀市エリアの佐賀市支部は7月に秀島氏の推薦方針を決定している。嘉村会長は「佐賀市支部としては応援する」と述べた。

 同市長選は、現時点で秀島氏以外に立候補の動きはないが、選挙戦になった場合は、党県連は自主投票となる見込み。

 前回の2013年は自民元県議を含む4人の混戦となり、自民は佐賀市支部が秀島氏を推薦する一方、旧郡部のうち6支部は元県議を推薦し、党県連が自主投票とした。

=2017/08/12付 西日本新聞朝刊=
https://www.nishinippon.co.jp/sp/nnp/saga/article/350349/