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[東京 16日 ロイター] - 日本の輸出競争力に陰りが出ている。アベノミクス効果で円安基調が定着しても、輸出額は過去のピークを下回ったままで、経常黒字に占める貿易黒字の割合は20%程度にとどまっている。

この背景にあるのは、日本企業の経営者を覆っている「リスクを取らない」心理にあると指摘したい。リスク回避の材料を並べ立てることに秀でているリーダーがひしめいている状況を「日本病」と名付けたい。病状は相当に深刻だ。 

<伸びない輸出総額>

足元の企業業績は、上振れ方向に動いているようだ。一部の報道では、2018年3月期の最終利益は、2期連続で過去最高を更新。5社に1社は最高益を出す見通しという。

だが、国内市場の収縮が進み出している中で、重視されるべき「輸出競争力」に黄信号が点灯している。

世界経済は、米国や中国の堅調な伸びなどを背景に拡大傾向がはっきりしてきたが、日本の輸出額は、2016年10─12月期が18兆3723億円、17年1─3月期が19兆0436億円、17年4─6月期が18兆2640億円と横ばい傾向となっている。

輸出総額(暦年)を振り返ってみると、リーマンショック前の2007年までは順調に増加し、その年に83兆9314億円を記録した。

しかし、それから10年たっても、輸出額はピークを回復できないまま。ここ3年は14年の73兆0930億円、15年の75兆6139億円、16年の70兆0358億円と停滞感が強まっている。
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田巻 一彦

2017年 8月 16日 5:27 PM JST