2017.8.22 07:05
 山梨県山梨市の職員不正採用事件は21日、贈収賄事件に発展した。収賄容疑で再逮捕された前市長の望月清賢(せいき)容疑者(70)と贈賄容疑で逮捕された甲州市立大和中学校長の萩原英男容疑者(57)、山梨市元収入役の滝沢博道(はくどう)容疑者(73)。市政関係者によると、3人はスポーツの振興活動や選挙応援で気脈を通じ、いずれも地域の要職を歴任してきた「地元の名士」だったという。癒着の構図はどのように生まれたのか−。警視庁捜査2課は全容解明に乗り出した。

 「3人のつながりの背景にあるのはバレーボールだ」。3人を知る関係者はこう証言する。萩原、滝沢の両容疑者は県や市のバレーボール協会の役員経験者で、2人の付き合いは数十年にも及ぶ長期間のものだったという。

 さらに滝沢容疑者は逮捕前、産経新聞の取材に応じ、望月容疑者との関係について「長年“ママさんバレー”をしていた奥さんを通じ親交を深めた」と説明。望月容疑者の元妻、治美被告(61)=詐欺罪で起訴=とバレーを介した人脈でつながっていたことを明かしていた。

 「山梨市のことならなんでも知っている」。周囲からこう評された滝沢容疑者は、地元の寺の住職を務めながら市職員としても勤務。平成26年の市長選では望月容疑者の支援に尽力し、「当選の立役者の一人だった」(市政関係者)。

 一方、知人によると、滝沢容疑者は今年2月下旬ごろ、周囲に職員採用をめぐる「口利き」の経緯を話していた。萩原容疑者の息子について「1次の筆記試験は通過したが、2次の小論文と面接の結果が芳しくなかった」とし、萩原容疑者の息子を合格させるために望月容疑者に相談したと明かしていたという。

 3月下旬には、周囲に「(合格は)大丈夫だよ」などと口利きが“成功”したことをほのめかし、萩原容疑者と望月容疑者の間で金銭の授受があったことも認めていたという。

 今回の事件は、前回逮捕での望月容疑者の勾留期限満期となる28日を前に再逮捕するという異例の展開となった。背景には「本丸」である贈収賄事件の構図が固まったほか、萩原容疑者が校長を務める中学校の2学期の始業式が迫っており、生徒や保護者、学校側に与える混乱や衝撃を最小限に抑えようとする捜査当局側の意図があったとみられる。

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望月容疑者をめぐる経過
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山梨市職員不正採用の流れ
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