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第５管区海上保安本部（神戸市中央区）の管内で起きた小型船舶事故のうち、６５歳以上の高齢者による事故の割合が２０１２年から５年でほぼ１・５倍に増えていることが同本部への取材で分かった。小型船舶事故が減少傾向にある中で、高齢者の事故が目立つ。自動車とは異なり「免許証返納制度」などがないため、今後も増加傾向が予測され、同本部も高齢者事故対策に動き始めた。（篠原拓真）
同本部は和歌山県から高知県までの太平洋や大阪湾、明石海峡などを管轄。管内での小型船舶事故は１２年の１９７件に対し、１６年は１７４件と減少。一方、高齢者による事故は１２年が５０件（２５・４％）で、１６年は６６件（３７・９％）だった。高齢者の死亡事故は１２年に１件、１６年に３件起きている。
同本部によると、事故では岩場などへの乗り上げや、操船技術の過信、不十分な見張りによる衝突などがあった。今年４月には淡路島沖で７０代男性の漁船が漂流し、巡視艇や航空機などが出動したケースもある。
農林水産省が５年ごとにまとめる漁業センサスでは、同管内の６５歳以上の漁業就業者の割合は０８年が約３６％で、１３年（約３７％）と比べてほぼ横ばいだが、高齢者の漁船事故の割合は０８年の３６・５％に対して１３年は４２・４％と増加している。
同本部の担当者は「高齢が事故原因か不明だが、高齢者による事故は確実に増えている」と指摘。「全国的にも１人乗り漁船の事故のうち、高齢者の事故が６割を占め、高齢者事故対策が課題となっている」と説明する。
このため同本部でも高齢者の事故対策を本格化。管内の漁協などを通じて、６５歳以上の漁業就業者らに今月からアンケートを始めた。「相手の前方などを通過できると過信して航行」や「相手が避けてくれると臆断していた」など高齢者に多い事故形態を挙げ、実際に経験しそうになった「ヒヤリ・ハット」の有無などを尋ねている。
同本部の留置（とめおき）浩司安全対策調整官（４５）は「高齢者事故の増加にどうアプローチするか考える時期に来ている。調査や分析を進め、関係機関とも連携して高齢者の事故減少に取り組みたい」と話した。
小型船舶事故 高齢者の割合
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配信2017/8/23 06:15
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