http://yomiuri.co.jp/science/20170826-OYT1T50138.html
国立成育医療研究センター(東京)の研究チームが今年度、ES細胞(胚性幹細胞)から作った肝細胞を、肝臓の病気の赤ちゃんに移植する医師主導の治験(臨床試験)を国に申請する方針であることが分かった。

 万能細胞の一つであるES細胞を使った国内初の臨床応用となり、2020年頃に再生医療用の肝細胞を製品化することを目指している。

 ES細胞は、不妊治療で使われなかった受精卵の一部の細胞を取り出し、培養して作る。無限に増える特徴を持ち、目的の細胞に変化させて患部に移植し、失った機能を回復させる再生医療に利用できる。

 治験は、生まれつき肝臓で特定の酵素が働かないため、アンモニアが分解されず血中にたまる「高アンモニア血症」の重い赤ちゃんが対象。患者は国内で年間10人程度とみられる。意識障害や呼吸障害が起き、生後3か月以降なら肝臓移植で治療できるが、その前に亡くなるケースがある。

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