バランスを取りながら住吉さんの肩に乗るペンギン
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 名古屋港水族館(名古屋市港区)で、まもなく1歳を迎えるペンギンが、飼育員の肩に乗る姿が話題となっている。

 水族館の公式動画でも配信されているほか、かわいらしい行動を間近に見た来館者からは「本当に乗ってる」「かわいい」と喜びの声が上がる。ただ、いつ肩に乗るかはペンギンの気分次第で、飼育員は「この珍しい瞬間を見られたらラッキーですよ」と来館を呼びかけている。

 肩に乗るのは、2016年10月に誕生したアデリーペンギン(雄)。ペンギンは通常、飼育員の肩に乗ることはないが、今年6月、ベテラン飼育員の材津陽介さん(34)が、飼育員の住吉優哉さん(20)の肩の上に、ペンギンが乗っているのに気づき、カメラで撮影した。「ペンギンがここまで乗るのを見るのは初めて」と驚いたという。

 ペンギンの飼育員7人のうち、住吉さんの肩が特にお気に入りだ。くちばしで腕をツンツンとつつき、足を乗せたら、一気に肩まで駆け上がる。住吉さんが水槽の清掃作業で体を揺らしても、バランスを取りながら下りようとしない。

 材津さんは「住吉君の肩幅が広く、氷の上から別の氷へとジャンプしたり、ジャングルジムを登ったりするように遊んでいると思う。だけど、人に懐いているわけではない」と説明する。

 ペンギンのくちばしは鋭く、羽はとても硬い。住吉さんは「怖くはないし、とてもかわいいですよ。体重は4キロでずっしりとしますけどね」と笑う。

 肩乗りペンギンの母親は、1992年から水族館で飼育されて以来、なかなか子宝に恵まれなかった。産んだ卵が割れたり、無精卵だったりした。16年8月に産卵し、材津さんを中心とするペンギンチームが見守る中、孵卵ふらん器内で待望のヒナが誕生した。人間を親として思わないよう、顔を隠すなどして慎重に育てた。

 現在は好奇心旺盛な子ペンギンだから怖がらずに飛びついていくが、成長するとともに、飼育員にあまり近寄ってこなくなるという。住吉さんは「ペンギン同士で暮らすのが本来の姿。いつまで肩に乗るか分からないですね。ぜひ見に来てほしい」と話した。(沢村宜樹)

 ◆アデリーペンギン=南極大陸が生息地で、頭と背中は黒色、腹部が真っ白で、まるでタキシードを着ているようだ。体長は約70センチ、体重は4〜5キロ。よちよち歩くが、水中では時速約10キロで泳ぐ。

 肩に乗るペンギンは公式動画チャンネル名古屋港水族館(https://www.youtube.com/watch?v=moSi3KX-swY)で配信している。問い合わせは名古屋港水族館(※電話番号はソース先で)。

肩乗りペンギンの母親(名古屋港水族館提供)
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2017年08月30日 09時13分
YOMIURI ONLINE
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