帯血無届け投与 麻央さんも通ったクリニック院長の反論
日刊ゲンダイ:2017年8月30日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/212424

 臍帯血を無届けで移植した疑いで逮捕された医師は、小林麻央さん(享年34)が亡くなる前に何度も通院していたと週刊誌に報じられたクリニックの院長だった。

 27日、臍帯血販売会社「ビー・ビー」社長の篠崎庸雄(52)、「表参道首藤クリニック」院長の首藤紳介(40)ら6容疑者が、再生医療安全性確保法違反容疑で4府県警の合同捜査本部に逮捕された事件。

 篠崎容疑者と首藤容疑者らは昨年7月〜今年4月にかけ、首藤クリニックで厚生労働相に第1種再生医療等提供計画を提出せずに、4人に臍帯血を移植した疑い。
同法違反での立件は、全国で初めてのこと。

「臍帯血はへその緒や胎盤に含まれる血液で、細胞のもとになる幹細胞が豊富なため、白血病の治療などに使われます」(厚労省研究開発振興課)

 首藤容疑者のクリニックには大腸がん、心臓疾患の治療だけでなく、美容目的の患者もいたという。
使われた臍帯血は、2009年に破綻したつくば市の民間バンク「つくばブレーンズ」から流出した。

「株主だった篠崎容疑者が千数百人分の臍帯血を譲り受け、10年以降、300人分以上を100万〜200万円で、首藤容疑者を含む全国の12クリニックに販売。
患者は、1回当たり300万〜500万円を支払っていた。
同じ容疑で逮捕された京都健康クリニックの経営者・坪秀祐容疑者(60)が3億円以上売り上げていたことから、首藤容疑者も相当な利益を上げたとみて、調べを進めています」(捜査事情通)

 投与された臍帯血は公的バンクではなく、一律の規制がない民間で管理されていたため、保存方法にバラつきがあり、安全性が不透明な臍帯血が使われた可能性も否定できないという。

 そもそもなぜ、無届けだったのか。

「他人の臍帯血を使った再生医療として、届け出ている医療機関はありません。
まず各医療機関が提供計画を倫理審査委員会に提出し、法律、倫理、医療などの観点から問題ないと判断されれば、それを国に届け出るわけですが、それが今回なかったということです。
提供計画を出してもエビデンスが認定されず、どうせ通らないのではという前提があったのではないか。
そもそも再生医療として効果が認められているものはありません」(前出の厚労省研究開発振興課)

■「超高濃度水素」温熱免疫療法は20万円

 首藤容疑者のクリニックでは臍帯血を使った再生医療の他にも、温熱免疫療法も行っていた。
加温しても溶け続ける40〜42度の超高濃度水素に、約20分間つかる治療法だ。
すでに削除された同クリニックのHPには「高濃度水素水による温熱免疫療法は副作用がなく、どのようながんの進行ステージの方でも治療することができます」というメッセージが流れ、
「湯船には400リットルの水素水を入れますので20万円分の水素水を使うことになりますね」とある。

 そんな首藤容疑者のクリニックに、乳がんを患っていた小林麻央さんが姉の小林麻耶と共に訪れたのは今年2月のこと――麻央さんが亡くなった約2週間後の7月上旬、女性自身がそう報じた。

 これに対し、首藤容疑者は自身のブログで「某著名人の方が、がんの発覚時点から当院の診察、治療を受け、当院の指導により標準治療を受けることをせずに手遅れになったという報道は事実無根でございます」などと反論していた。

 藁をもつかみたい患者や家族の気持ちを考えるとやるせない。



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