ドナルド・トランプ米大統領は30日、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対応について、「対話は答えではない」と主張した。一方、ジェームズ・マティス国防長官は同日、外交の余地はまだあると主張している。

トランプ大統領はツイッターで、「米国は北朝鮮と話してきた。そして25年間、彼らにゆすられカネを払い続けてきた。対話は答えじゃない!」と書いた。

しかしこの後、マティス長官は国防総省で韓国のソン・ヨンム国防相との会談に臨む前、「外交的解決策が尽きるということはない」と語った。

北朝鮮は29日早朝に日本上空を通過するミサイルを発射し、太平洋における軍事作戦の「第一歩」だと表明した。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は30日にレックス・ティラーソン米国務長官と行った電話会談で、北朝鮮に対する制裁をこれ以上強化するのは非生産的だと語った。

トランプ氏は先週、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が米国に「敬意を払い始めた」と述べたばかり。

29日のミサイルは日本の北海道上空を飛び、日本では市民に安全確保を呼びかける「Jアラート」(全国瞬時警報システム)が発動された。

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弾道ミサイル発射の想定で避難訓練を行う石川県輪島市の住民(30日)

ロシアは朝鮮半島の緊張が高まった責任の一端は、地域での米国の軍事活動にあるとし、抑制と交渉を呼びかけている。

ラブロフ外相は30日、ここ数カ月の間に高まった緊張を乗り越える唯一の方法は外交だと強調した。

北朝鮮の国営メディアは今週も、「侵略の前哨基地」と呼ぶ米領グアムへの脅しを繰り返した。今月初めに北朝鮮がグアム周辺に対するミサイル発射計画を策定したと発表した際には、トランプ大統領は、もし米国を脅かすようなら「炎と激怒」で対応すると述べていた。

国連安全保障理事会は29日夜に緊急会合を開き、北朝鮮によるミサイル発射を「言語道断」と非難し、あらゆるミサイル実験を停止するよう要求する議長声明を全会一致で採択した。

議長声明は北朝鮮の行為が国連加盟国すべてに対する脅威だとしたものの、新たな制裁は含まなかった。


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http://www.bbc.com/japanese/41104929
2017年8月31日 BBC