最強Xクラスの太陽フレア発生2回 デリンジャー現象を警戒せよ!NASA
2017年09月07日 10時21分
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最強X9.3の太陽フレアが発生(NASA/SDO)

 米航空宇宙局(NASA)は6日夜、太陽の黒点群で最強のXクラスの爆発現象(フレア)を2回観測したと発表した。
今後、太陽風の乱れが地球に到来するおそれがあるとして、宇宙天気情報センター(SWC)が「高エネルギー電子の臨時警報」を発令している。

 太陽フレアは、太陽表面の黒点周辺で、磁場のエネルギーが急激に解放されることで発生する大規模な爆発現象。
爆発にともなって放射されるX線の強度によって、低い方からA、B、C、M、Xの5等級で分類される。

 一定規模以上のフレアが発生すると、太陽ガスの放出によって、2〜3日後に地球上でGPSの誤差が発生したり、通信や電波障害が起きる可能性があることから、各国で警戒監視活動を続けている。

 ソーラーダイナミクス天文台(SDO)は日本時間6日午後6時10分ごろ、黒点群2673という活動領域で、X2.2のフレア発生をとらえたのち、同9時2分にもX9.3を観測。
このうちX9.3のフレアは、最近の太陽の活動周期の中で最大規模のもので、爆発にともなって、太陽ガスの噴出現象(CME)も観測された。

 太陽の黒点群2673では今月3日以降、活動が活発化していて、5日にもMクラスのフレアが数回発生している。

 太陽は約11年周期で黒点の数や面積を増減させたり、放射活動を変動させる。
NASAによると、2008年12月に始まった現在のサイクルは衰退時期に移行しており、太陽の温度は低下現象にあるという。

 今回のX9.3のフレアは現サイクルでは最大規模に達したことから、電離層の異常が原因で通信障害が発生する「デリンジャー現象」への警戒が必要だとして、宇宙天気情報センターが現在、「高エネルギー電子の臨時警報」を発令して注意を呼びかけている。

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NASAの太陽観測衛星ソーラー・ダイナミクス・天文台がとらえた最強クラスの太陽フレア(NASA/SDO)

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オーロラの発生が活発化するかもしれない(NASA)