徳島県警三好署で、誤認逮捕について謝罪する署長(右)と副署長=11日正午すぎ
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会員制交流サイト(SNS)でコンサートチケットを売るとうそをつき、現金をだまし取ったとして、徳島県警が5月15日に詐欺容疑で逮捕した愛知県豊田市の専門学校生の女性(21)について、県警は11日、誤認逮捕だったと明らかにした。女性は容疑を否認しており、19日間勾留された後、処分保留で釈放されていた。

県警は同日、SNS上で専門学校生に成り済ましていたとして、詐欺容疑で京都市の女子中学生(15)を書類送検した。容疑を認めている。

県警三好署は、専門学校生が昨年8月、ツイッターに「徳島での公演のチケットがあるが、用事があるので譲る」などと書き込んだ上、投稿を見た徳島県内の女子高校生に4万円を口座に振り込ませ、だまし取った疑いがあるとして逮捕した。

捜査関係者によると、投稿されたアカウントなどから県警は逮捕当初、専門学校生が関わっているとしていた。振込口座も専門学校生のものだったが、専門学校生は別の人物とチケット売買の約束をしていたため、入金に疑問を持たなかった。その後の捜査で、何者かが専門学校生に成り済まし、現金をだまし取っていたと判明した。

三好署の幹部は10日、専門学校生の自宅を訪れ、謝罪した。専門学校生は「憤りを感じている。今後、こうしたことのないようにしてほしい」と話したという。

■成り済まし見抜くのは困難

甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)の話 爆破予告をしたとして4人が誤認逮捕されたパソコン遠隔操作事件も起きたように、インターネット上での成り済ましを見抜くのは難しい。会員制交流サイト(SNS)では、むやみに知らない人からの友達申請に応じていると、アカウントが乗っ取られる危険性がある。以前は特殊な技術と知識が必要だったが、今はネット上にハッキングのツールなどの情報があふれ、中学生でも犯罪が容易になっており、リスク社会にいることを自覚すべきだ。

配信2017.9.11 11:24更新
産経WEST
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