米アップル、次期iPhoneめぐる「一大」情報漏洩に悩む (BBC News) -Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170911-41224685-bbc-int
9/11(月) 17:04配信

リオ・ケリオン・テクノロジー担当編集者

米アップルは、12日に発表する予定の次期iPhoneやほかの製品に関する情報が意図的に漏洩(ろうえい)されたとみられる問題に悩まされている。

2つのアップル関連ニュースサイト、「9To5Mac(ナイントゥーファイブマック)」と「MacRumors(マックルーマーズ)」が、アップルの基本ソフト(OS)「iOS」の新たなバージョンを閲覧したとし、プログラムが次期携帯端末として「iPhone X」に加えて、2つの「iPhone 8」に触れていると明らかにした。

2つサイトはさらに、新たに導入される顔認識機能によって、パスワード代わりになったり、表情を動く絵文字に変換したりすることができるようになると伝えた。

あるテクノロジー・ライターは、アップルにとって過去最大の情報漏洩だと語った。

アップルは12日(日本時間13日未明)に米カルフォルニア州の新社屋で製品発表会を予定している。

同社は、発表を控えた新製品や新技術に関する情報が漏れないよう、かなりの努力を払ってきている。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は2012年に、製品情報の秘密を漏らさない努力を「さらに強化する」と語っていた。

しかし、すでに先月、アップルが人工知能(AI)スピーカー「ホームポッド」に使われるプログラムの試験版の一部を公表した際、発表予定の新製品に関する情報が明らかになっていた。

先月の情報漏洩は過失のためだとみられているが、今回は妨害を目的とした意図的なリークだったと主張する向きもある。

アップルに関するブログで有名なジョン・グル-バー氏は、「私が確認できた限りでは、試験版は誰でもダウンロードできるようになっていた。しかし、長くて誰も推測できないような複数のURLで、分かりにくくしてあった」と指摘した。

「アップル社内の誰かがURLのリストを9To5MacとMacRumorsに漏らした。過失ではなく、悪質なアップル社員による意図的な悪意を含んだ行為なのはほぼ確かだ」

グルーバー氏も両サイトのいずれも、情報源を明らかにしていない。

しかし、BBCの取材で、匿名の情報源がアップルのサーバーから「iOS 11」最終版をダウンロードし、それへのリンクをニュースサイトに提供したことが明らかになった。
リリースへの準備が整った最終版はGM(ゴールドマスター)版と呼ばれている。

グルーバー氏は、「アップルの歴史で、(発表会の)驚きの要素をこれほどまでダメにしたリークはなかった」と付け加えた。
アップルからコメントは得られていない。

複数の開発者がリークされた情報から新製品・サービスの内容を知ろうとしている。これまでに分かったことは以下の通り。

・iPhone Xに関する記述から、アップルは現行モデルのものより大幅な変更を盛り込んだ新しい高級機種を予定している。
・アップルウォッチとエアポッド向けの新しいヘッドフォンの画像
・指紋認証機能「Touch ID」に代わる顔認証機能「Face ID」の設定手続き。「Face ID」を使って端末のロック解除やネットショッピングなどができる。
・使用者の表情から動く絵文字を作成する「アニモジ」の導入

アップル社員による意図的な情報漏洩が起きたとみられる事例は過去3カ月で今回が2回目。今年6月には、社内ミーティングを1時間にわたって録音したデータがニュースサイト「アウトライン」に漏れた。皮肉にもミーティングの内容はリーク対策だった。

録音から、漏洩者を特定するため米国家安全保障局(NSA)、連邦捜査局(FBI)、シークレットサービスの元職員を雇い入れたことなどが分かった。

録音には、あるアップル幹部が「私が心の底から信じていることだが、我々が賢い人々を雇い入れれば彼ら(漏洩者)はよく考え、理解するはずだ。べらべら喋らないという正しい選択をするだろう」とミーティングで語っているのが含まれる。

テクノロジー分野のコンサルタント会社CCSインサイトの調査部門のトップで、アップルに詳しいベン・ウッド氏は、漏洩によって、12日の発表が世間をアッと言わせる意外性は多少失われたと述べた。

「どうして漏洩が起きたのかを知ろうと、アップル社内で信じられないほどのエネルギーがつぎ込まれるだろう。(漏洩を)やった人に同情する。絶対に厳しい処遇が待っているからだ」

しかし、ウッド氏は一連の漏洩問題がアップル新製品の販売に影響する可能性は低いと指摘した。