9/12(火) 8:30配信

 北海道警函館西署警備課巡査部長の山本圭太容疑者(35)が、捜査車両情報を知人に漏らしたとして地方公務員法(守秘義務)違反容疑で再逮捕された。道警の捜査情報漏えい事件は2015年以降、3年連続。道警幹部は危機感を募らせ、情報を漏らした相手が高校時代からの知り合いだったことから「個人の倫理観、順法意識の問題。交友関係まで把握するのは難しい」と頭を痛めている。

 道警監察官室によると、山本容疑者は6月13日に違法薬物事件の捜査対象であった男に捜査車両1台のナンバーなどの情報を漏らした疑い。男から「捜査車両らしい車に後をつけられている」とナンバー確認を依頼され、警察の端末を使って照会したとみている。道警は10日、山本容疑者を函館地検に送検した。

 山本容疑者は前任の羽幌署勤務時代の2月に自宅で大麻とみられる薬物を2万円で譲り受けたとして8月に麻薬特例法違反(譲り受け)で逮捕、送検されていた(処分保留)。道警は知人の男が山本容疑者に薬物を渡したとみて、男を同法違反(譲り渡し)容疑で書類送検している。

 道警では2015年10月に札幌中央署の警部補(当時)が暴力団組員に強制捜査の予定を教えたなどとして、16年6月には薬物銃器対策課の警部補(同)が覚醒剤密売人と共謀して調書を偽造し捜査情報を漏えいしたなどとして、共に地方公務員法(守秘義務)違反容疑などで摘発され、有罪判決を受けた。

 暴力団や銃器に関する犯罪捜査では、情報収集のため内部の状況に詳しい関係者と接触することがある。道警は不正事件を受け、捜査員が協力者と複数で会うなどの対策を講じてきた。

 ある道警幹部は「捜査でなく個人的に面識があった相手となると事前の把握は容易ではないが、道民の信頼回復のため更なる対応を考えたい」と話している。【真貝恒平】

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