震災と原発事故からの経済の復興を加速しようと去年、福島県が整備した施設が今年度、6億円余りの赤字になる見通しであることがわかり、県は財政支援として3億円余りを補正予算案に計上する方針です。

この施設は郡山市に去年11月オープンした「ふくしま医療機器開発支援センター」で、福島県が医療機器開発に取り組む企業を支援することで復興を加速させようと国の補助金およそ130億円を使い整備しました。

開発された医療機器の安全性を確かめる試験や、医療機関と企業の連携を支援する役割を担い医療機器の開発から事業化までを一貫して行う国内唯一の施設として注目を集めました。

県などによりますと、今年度の収入額を当初およそ3億円と想定していましたが、これまで受注した事業による収入の見込み額が1600万円程度にとどまっている一方、実験に必要な資材の購入費などが膨らんで支出が増え6億円余りの赤字が出る見通しだということです。

このため県は、3億1800万円余りの財政支援を補正予算案に計上する方針で、今月開かれる県議会の定例会で提案されます。

県医療関連産業集積推進室は「オープンの直後から受注が見込まれると過大に評価していた。営業活動を強化するとともに専門家による組織を設置し経営改善策を検討したい」としています。

配信09月12日 18時29分
福島 NEWS WEB
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