【ワシントン=山本貴徳】米テスラの車が昨年5月、自動運転中に起こした死亡事故について、米国家運輸安全委員会(NTSB)は12日、運転手が自動運転を過信したことに加え、メーカーの対策も十分ではなかったことが原因だったと発表した。

 NTSBなどによると、自動運転機能を使った37分間のうち、運転手がハンドルを握ったのは25秒だった。何度も音声などでハンドルを握るよう警告したが、運転手は機能を過信し、十分な注意を払わなかったと指摘している。

 一方、長時間、ハンドルを握っていなくても、自動走行できるようにしたテスラの設計が、運転手の過信につながったと結論付けた。その上で、自動運転は限られた条件でしか使えないようにするなどの対策が必要との考えを示した。

 テスラは「NTSBの分析結果を尊重し、今後も技術を進化させていく。テスラの(自動運転技術である)『オートパイロット』機能は完全な自動運転ではなく、運転手は常に注意を払う必要があることを説明していく」とのコメントを発表した。

http://yomiuri.co.jp/economy/20170913-OYT1T50078.html