殻付き鶏卵 香港向け輸出額推移
https://lpt.c.yimg.jp/amd/20170913-00010000-agrinews-000-view.jpg

殻付き鶏卵の最大の輸出先である香港で、2017年の輸出額が過去最高を上回るペースで伸びている。日本産は半熟など生鮮に近い状態で食べられ、安全・安心との認知が広まってきた。今夏に韓国や欧州諸国などの他国産は鶏に使用禁止の殺虫剤を使っていたことが判明し、日本産の追い風となっている。

国産鶏卵の輸出可能な国・地域は香港とシンガポール。香港向けが9割以上を占める。17年1〜7月の香港向けの殻付き鶏卵の輸出額は前年同期比10%増の5億円。これまでの最高は、16年の年間9億円だが、それを上回るペースだ。

国産は半熟卵や、生に近い温泉卵に調理して食べられる。香港の消費者が日本を訪れる機会が増え、日本の食べ方が浸透しつつある。現地に多く出回る米国産は、日本産より価格は安いが、輸送に時間がかかり鮮度維持が難しいため、生鮮に近い状態での食用には不向きという。

日本貿易振興機構(JETRO)香港事務所の彦坂久美子海外コーディネーターは「日本産は安全性が高く、評価が高まっている」と指摘する。

8月中旬にオランダ、ベルギーなど欧州連合(EU)諸国や韓国で、鶏に使用禁止の殺虫剤を使っていたことが明らかになったことも今後の追い風だ。汚染された鶏卵・卵製品は世界の計45カ国・地域で流通した恐れがある。香港では販売が停止されているという。日本養鶏協会は「日本産の安全性をPRするチャンス」と捉える。

配信 9/13(水) 10:09
日本農業新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170913-00010000-agrinews-bus_all