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北朝鮮による拉致被害者の曽我ひとみさんが、来月で帰国から15年になるのを前に記者会見し、残された被害者に「絶対に諦めないで」と呼びかけるとともに、1日も早い帰国の実現に向けた政府の取り組みを求めました。

拉致被害者の曽我ひとみさんは、日朝首脳会談のあとの平成14年10月、蓮池さん、地村さん夫妻の4人の被害者とともに24年ぶりに帰国を果たしましたが、一緒に拉致された母親、ミヨシさんの消息はわからないままです。

帰国から来月で15年になるのを前に、曽我さんは13日、地元の新潟県佐渡市で記者会見に臨み、「うれしいことも悲しいこともあった複雑な15年間でしたが、私を支えてくれた人たちに感謝する日々です」と、この間を振り返りました。

そして、まだ帰国できていない拉致被害者に向けて「自分も諦めそうになったこともありましたが、諦めたら終わりです。どんなことがあっても絶対に負けないでほしい」と呼びかけました。

そのうえで、曽我さんは、核問題で緊張が高まる中、拉致問題解決への道筋が見通せなくなっていることに危機感を訴えるとともに、政府に対し「自分の家族がいなくなったらどうするのかと考えてほしい。1日も早い解決のために今まで以上に力を尽くしてほしい」と求めました。

曽我さん 故郷の福祉施設に勤務

曽我ひとみさんは、現在、夫のジェンキンスさんと長女の美花さんの3人で、生まれ故郷の新潟県佐渡市で暮らしています。

佐渡市によりますと、曽我さんは市内の福祉施設で介護の仕事を、ジェンキンスさんは観光施設で土産物の販売員をしています。また、美花さんは市内の保育園で保育士として働いているということです。次女のブリンダさんは、3年前まで酒造会社に勤めながら家族と同居していましたが、現在は結婚して家を離れているということです。

一家そろっての帰国が実現し、この間、拉致によって奪われた時間を着実に取り戻してきた曽我さんですが、母親をはじめ、ほかの被害者の帰国への道筋が見えないことに危機感を募らせていて、今も定期的に署名活動などを行って一刻も早い解決を訴え続けています。

9月13日 18時24分