羽田空港へのアクセス向上が期待される、東京・大田区の蒲田にある2つの駅を結ぶ新しい鉄道路線、通称「蒲蒲線」の整備に向けた準備を進めている大田区の区長らが、小池知事を訪れ早期整備に向けた協力を要請しました。

「蒲蒲線」は、東急電鉄の蒲田駅と羽田空港に乗り入れている京浜急行の京急蒲田駅の間のおよそ800メートルを新たに地下で結ぶ路線で、国土交通省の審議会は去年4月、事業化に向けた手続きを進めるよう求める答申をまとめています。

13日は、大田区の松原忠義区長など東京や埼玉の10の自治体の代表が東京都の小池知事を訪れ、早期整備に向けた要望書を手渡しました。そのうえで、松原区長は「新しい路線ができれば、都心の通勤客の一極集中を是正したり、首都直下地震の際に代替路線として使ったりすることもできる」と述べて協力を要請しました。

これに対して、小池知事は「東京のパワーの源泉は、世界に比べても精密な運行が行われている公共交通にあると思っている。意見を受け止めて課題を解決していくよう検討を進めたい」と答えました。

蒲蒲線の整備が実現すれば、東京メトロ副都心線などとの相互直通運転を行うことで、渋谷や新宿、それに埼玉県を含めた首都圏北西部の羽田空港へのアクセスが向上すると期待されています。

一方で、整備に必要な事業費は、大田区などの試算で1260億円に上るとされており、この費用をどう負担していくかが課題となっています。

配信9月13日 17時57分
NHK NEWS WEB
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