大阪府河南町白木のワールド牧場で5月、直毛のヤギから毛が縮れたメスの子どもが生まれた。父親は牧場内のヒツジとみられ、牧場が委託した民間会社の遺伝子検査ではヒツジの遺伝子が検出された。ヤギとヒツジの雑種は海外で数例の報告があるが、自然交配での出生例は極めて珍しいとされ、動物遺伝学の専門家も詳しい調査に乗り出した。

 5月5日、飼育員歴約30年の斉藤千香子さん(46)は、ヤギから生まれた縮れ毛の赤ちゃんを見て「これまで何頭もヤギの出産を見ているが、こんなのは初めて」と驚いた。名前は、公募して寄せられた案の中から、飼育スタッフみんなで「ポプリ」に決めた。

 同牧場は、食肉検査なども行う環境コンサルタント会社「いであ」(東京)に遺伝子と染色体の検査を依頼した。その結果、ポプリからはヤギとヒツジの両方の遺伝子が検出された。

 母親のヤギは、ヤギとヒツジの雄雌を交ぜた約15匹の区画で育てており、その中にヒツジの雄は1匹のみ。このヒツジが父親の可能性が高いとみられる。

 斉藤さんによると、ヤギとヒツジが交尾をすることはこれまで何回か見たことがあるという。「でも、子どもは生まれないと思っていた。奇跡が起きた」と話す。

 ポプリは甘えん坊で、お母さん…

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