https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170915-00000105-mai-sctch

米航空宇宙局(NASA)などの無人探査機カッシーニは日本時間15日夜、
土星の大気に突入して燃え尽き、20年に及んだ任務を終えた。
初の土星探査機として、謎が多い輪の成り立ちの解明や、タイタンとエンセラダスの
両衛星に生命が存在する可能性を突き止めるなど多くの功績を上げた。

NASAによると、カッシーニは同午後7時半ごろ、土星の上空約1900キロの
大気層に突入。姿勢制御が不能になるまで、大気成分などを測定しながら
データを地球へ送信した。約14億キロ離れた地球に届くまでに83分かかることから、
同8時55分ごろに電波が途絶えた。大気突入前には、13日以降に撮影した
美しい輪やタイタンなどの画像を地球に送ってきていた。

1997年に打ち上げられたカッシーニは、2004年に土星軌道に到達。
当初は08年に任務を終える予定だったが、大きな故障がなかったため、
NASAは運用期間を08年と10年の2度にわたって延長した。国立天文台の
渡部潤一副台長は「宇宙に生命が存在可能な場所がそれまでの想像以上に
あることを示した。放射線に長年耐えた技術も確かだった」とたたえ、
「土星大気の実測データが得られれば初。新たな発見にも期待したい」と話した。


無人探査機カッシーニが土星の大気突入前に送ってきた土星の輪。
左下に太陽の光を反射する本体が見える=米航空宇宙局(NASA)提供
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