“粉ミルク=赤ちゃんが飲むもの”というのが一般的なイメージだが、森永乳業、雪印ビーンスターク、救心製薬がそれぞれ“大人向けの粉ミルク”を発売している。きっかけや狙いについて話を聞いた。
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粉ミルク」といえば誰もがイメージするのは、あの丸い缶に入った乳児用の粉ミルクだろう。ところが雪印メグミルクグループの雪印ビーンスタークが2017年9月に発売したのは、“大人のための粉ミルク”とうたう「プラチナミルク」シリーズ。実は約1年前の2016年10月3日には、森永乳業が大人のための粉ミルク「ミルク生活」を通信販売限定で発売。さらにその1年半前となる2014年4月には、救心製薬がその名もズバリ「大人の粉ミルク」を発売している。

しかし粉ミルクは本来、普通の食品から栄養を取ることができない、乳幼児のための“母乳の代わりに飲むもの”なのではないか。なぜ、自分でそしゃくして食品から栄養を摂取できる大人に向けて、粉ミルクを売るのか。その狙いについて、3社に聞いた。
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■60代女性の約2%が、育児用粉ミルクを愛用

 森永乳業と雪印ビーンスタークが大人のための粉ミルクを開発したのは、「育児用粉ミルクを健康のために取っている大人が意外に多い」という実態が背景にあった。

 「以前からシニアの方が『健康のために育児用ミルクを飲んでいる』という声が寄せられていたが、それが近年増えてきていると感じるようになった。調べてみるとお客さま相談室に届いた件数は、年間約100件に上っていた。『10年間、コーヒーに入れて飲んでいる』『実際に飲んで健康に良い効果があった』という声とともに『飲んでも問題ないのか』『大人用の粉ミルクはないのか』という声も多かった」(森永乳業 営業本部  ウェルネス事業部 マーケティング統括グループ  ヘルスケア食品マーケティンググループの小菱悟マネージャー)。

 そこで同社は「大人のための粉ミルクに関する受容性」を調査。すると商品コンセプトへの肯定率が約90%と非常に高い結果が得られたという(※2015年12月に森永乳業が実施した説明文提示による魅力度調査。対象者は50歳以上女性、n=53)

 雪印ビーンスタークでも近年、「育児用の粉ミルクを大人が飲んでもいいですか?」という問い合わせが増え、店頭でも同様の質問をよく受けるという報告があったという。そこでアンケート調査を実施したところ、60代の女性でも2%程度の人が、「総合的に栄養が取れるから」「体に良さそうだから」という理由で自分用に粉ミルクを購入している実態が分かった。「大人が自身の栄養補給のために飲む『大人の粉ミルク』のニーズがあるならば、弊社が長年にわたって続けてきたヒトの栄養研究と乳の加工技術を応用し、より大人に適した粉ミルクを作ることができる可能性があると考えた」(雪印ビーンスターク 商品開発部 マーケティンググループの河内慶子氏)。

 これに対して救心製薬は「牛乳が苦手だがカルシウム補給のために無理をして飲んでいる人、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしてしまう人のために、赤ちゃんの栄養源である粉ミルクを大人に転用したらいいのでは」という発想から開発を始めたという。

■「乳幼児が飲むものだから」という安心感も

 ではなぜ大人が食事やサプリメントではなく、育児用の粉ミルクを選ぶのか。ここには“生まれたての赤ちゃんが飲むものなら”という消費者心理が働いているようでもある。

 「生まれたばかりの子どもの成長は特に心配なものだが、粉ミルクだけで元気に成長した育児経験から『粉ミルクの栄養価はすごい』という印象を強く持っている人がシニアの中には多い。自身がシニア世代になって健康が気になりだしたとき、『子どもに良いものなら、年齢を重ねた自分にも良いだろう』という思いで飲まれるようになったのでは。また『乳幼児が飲んで安心なもの』という信頼感、安心感も大きいと思う」(森永乳業の小菱マネージャー)

※以下省略 見出しのみ 全文はソース先をお読み下さい

●粉ミルクの栄養バランスをベースに、大人が必要な栄養を追加(森永乳業)

■骨や筋肉に必要な栄養素を効率的に摂取(救心製薬)

●ネーミングはマイナス要素よりメリットのほうが大きかった

配信9/27(水) 10:01
日経トレンディネット
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