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アメリカのグーグルはAI=人工知能の技術を活用して音声でさまざまな家電製品の操作ができるAIスピーカーを日本で発売すると正式に発表しました。一方、通信アプリ大手のLINEも自社で開発した製品を本格的に販売すると発表し、日本市場での競争が一気に激しくなりそうです。

AIスピーカーは、人工知能で人の声を認識しニュースや音楽を流したり家電製品を操作したりできる製品で、アメリカで普及が進んでいます。

グーグルは5日、都内で記者会見を開き、日本語に対応した製品を日本で6日に発売すると正式に発表しました。

この製品はあらかじめ登録しておけば最大で6人の声を聞き分けることが可能で、会見ではインターネットの検索や部屋の照明を操作する様子やAIによる流ちょうな日本語も披露されました。
グーグルの徳生裕人製品開発本部長は「日本語の認識は技術的に難しいが、長年の開発で搭載が実現できた。さまざまな日本企業と連携を深めて、利用シーンを広げたい」と話しています。

一方、LINEも5日、都内で記者会見を開き、日本で本格的にAIスピーカーの販売を始めると発表しました。

この製品は自社で開発したAIを搭載していて、ニュースを読み上げたりテレビを操作したりするほか、LINEのメッセンジャーアプリを声で操作できるということです。
LINEの舛田淳取締役は「国内で7000万人のLINEユーザーが毎日使ってもらえるように、サービスを展開したい」と話しています。

AIスピーカーは先行するアメリカに比べて日本ではまだ普及が進んでいませんが、グーグルのほかアマゾンも年内に発売する予定で、日本市場での競争が一気に激しくなりそうです。

日本市場でのプラットフォーム競争は
AIスピーカーは音声操作のAIでどの会社が主導権を握るのか、そのプラットフォームを抑えようという各社の競争が激しくなっています。

AIスピーカーは音声でリビングルームのあらゆる家電製品を操作するいわば司令塔のようなIT機器で、どれだけ多くの家電製品とつながるかが、消費者の利便性を左右します。このため、この分野で先行するアマゾンとグーグルは自社でAIスピーカーの製品を手がけるだけでなく、自社で開発した音声操作のAI技術を他社の製品にも採用してもらおうという、プラットフォームの獲得競争を繰り広げています。

こうした中、英語で音声操作をする欧米市場では日本の電機メーカー各社もソニーとパナソニックがグーグルの技術を採用する一方、東芝はアマゾンの技術を採用し、激しい競争が始まっています。

一方、日本語を使う日本市場ではどのようなプラットフォーム競争が起こるのかが注目されていました。ソニーがグーグルの技術を採用する計画が明らかになった一方、NTTドコモは自社で開発したAIの音声操作の技術を他社に提供し、グーグルとアマゾンを迎え撃とうとしています。
NTTドコモの秋永和計担当課長は「電話事業で培った技術をいかし、日本企業どうしの協業を進めていきたい」と話しています。

また、AIスピーカーが普及するには他社の家電製品との連携だけでなく、ネット通販や銀行決済などさまざまなサービスに対応できるかどうかが鍵を握っており、日本市場でのプラットフォーム競争は今後、激しさを増しそうです。

10月5日 15時34分

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