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慶応大学の研究グループが、iPS細胞を大量に培養できる新しい装置を開発することに成功しました。

iPS細胞は、体のさまざまな細胞や組織を作り出して病気を治療する再生医療に応用するため、大量に培養する必要がありますが、これまで、培養の途中で細胞の塊の一部が別の細胞に変化してしまう課題がありました。

慶応大学の福田恵一教授らの研究グループは、縦およそ20センチ、横30センチの薄いプレートを重ね、iPS細胞を平面的に培養する新たな培養装置を開発しました。

この装置は、二酸化炭素の濃度が、細胞が最も活発に増えるおよそ5%に自動的に保つ機能も備えていて、一度におよそ10億個のiPS細胞を作ることができるということです。

研究グループでは、この装置を使って、およそ5000万個の心臓の筋肉の細胞を作りだし、重い心不全の患者に移植して心臓の機能を回復させる臨床研究を、早ければ来年にも実施したいとしています。

福田教授は「心臓など、大きな臓器の治療にはよりたくさんのiPS細胞が必要だ。大量に培養できるこの方法は再生医療の産業化にもつながる」と話しています。

10月6日 6時04分

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