世界最北限のテーブルサンゴ群落として知られる和歌山県串本町沖で、潮流の力を利用して微弱な電流を発生させ、サンゴの成長を促す実験が進んでいる。

 海外では電流を流すことで、サンゴの成長を最大で約5倍早めるデータがあるといい、関西大学、秋田大学の共同研究チームは「白化現象や死滅が広がっているサンゴを再生させたい」としている。

 関西大学の高橋智幸教授(50)らは、今年6月、セメント製の土台(長さ4センチ、幅2センチ、高さ3センチ)約20個を水深5メートルの岩場に設置。その上に海流などで自然に折れたサンゴの一種・ミドリイシを針金で固定し、成長を確認した。

 今月5日には、本格的な実験を前に発電装置の試験稼働を始めた。長さ10センチの硬化プラスチック製の棒が、潮の流れを受けて小刻みに振動し、乾電池1個程度の弱い電流を発生させる仕組み。

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