企業の玄関に置いてあった植木鉢を盗んだとして、滋賀県警近江八幡署は11日、窃盗の疑いで同県近江八幡市安土町上豊浦の無職、中村允計容疑者(76)を逮捕した。一帯ではここ数年、花を植えた植木鉢が盗まれる被害が多発。街の“ミステリー”となり、回覧板をつくって注意を促した地区もあったほど。被害企業も6月の20日あまりで立て続けに約10個も盗まれ、防犯カメラをチェック、犯行の様子が映っていたという。(花輪理徳)

 同署の調べに対して中村容疑者は容疑を認め、「花が好きで盗んだ」と供述。さらに「10年くらい、繰り返して盗んだ」とも話しているという。

 逮捕容疑は、6月21日午前3時45分ごろ、同市安土町の企業の玄関に置いてあった植木鉢1つを盗んだとしている。

 同署などによると、今回被害にあった企業は、特に6月に入って盗難が頻発。花を植えた植木鉢が立て続けに10個ほど盗まれた。このため防犯カメラの映像を細かくチェックしていたところ、中村容疑者とみられる男が自転車の荷台に植木鉢をのせて立ち去る姿が映っており、22日になって同署に届け出。この映像が“決め手”の一つとなった。

 被害企業の男性社長(67)は「届け出から日がたっていたので、諦めかけていたが、容疑者が逮捕されてほっとした」と話した。中村容疑者とは面識がなく、「同じ安土の人間が逮捕されたことは本当に残念だ」とも。

 花を植えた植木鉢がなくなる被害は、安土町内のほかの複数の住宅でもあり、ここ数年、同署にも相談が寄せられていたほか、回覧板をつくって注意を呼びかけた地区もあったという。同署は現場付近で張り込みをするなど捜査を続けていた。同署は、ほかに植木鉢が盗まれた件についても、中村容疑者が関与したかどうか捜査を続ける。

 2年ほど前に花を盗まれたという同町の主婦(65)は「知らない人に家のものを触られたと思うと怖い。売れるわけでもない花をどうして盗むのか…」と話していた。

http://www.sankei.com/smp/west/news/171013/wst1710130006-s1.html
中村容疑者とみられる男(右下)が植木鉢を運ぶところが映った防犯カメラの映像
http://www.sankei.com/images/news/171013/wst1710130006-p1.jpg
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