軍縮問題を扱う国連の委員会で、ことし7月に採択された核兵器禁止条約などをテーマにした討論が始まり、条約を推進する国とアメリカなど核保有国の主張が鋭く対立し、核軍縮の方向性をめぐる立場の違いが改めて浮き彫りになっています。

ニューヨークの国連本部では、軍縮問題を扱う国連総会の第1委員会が連日開かれていて、12日は、ことしのノーベル平和賞を受賞した国際NGO、「ICAN」=「核兵器廃絶国際キャンペーン」が採択に貢献した、核兵器禁止条約などをテーマに討論が行われています。

冒頭、核兵器禁止条約の交渉議長を務めたホワイト議長が報告に立ち、ICANの受賞が核軍縮問題の緊急性を示しているとしたうえで、核保有国や核抑止力に依存する国に対していつでも議論に加わってほしいと述べ参加を呼びかけました。

これに対して、アメリカのウッド軍縮大使は、核抑止力こそが破滅的な結果を防いできたのであり、核兵器禁止条約は安全保障にとって逆効果だと批判しました。また、委員会の中で、日本の高見澤軍縮大使は、日本も反対してきた核兵器禁止条約については言及せず、核保有国が現在の核軍縮の枠組みで科されている核軍縮の責任を果たすべきだと主張しました。

討論では、条約を推進する国々と核保有国の主張が鋭く対立し、核軍縮の方向性をめぐる立場の違いが改めて浮き彫りになっています。

配信10月13日 8時54分
NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171013/k10011176601000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_021