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 衆院選(22日投開票)の論戦に最近の株高傾向が影響を与えている。与党は経済政策「アベノミクス」の成果だと訴え、消費税増税と増収分の使途変更を正当化したい考え。これに対し、野党側は「好景気の実感はない」として、消費税増税の凍結を前面に掲げる。希望の党は公約した大企業の内部留保課税をトーンダウンさせるなど、政策の「生煮え」を露呈させた。
 安倍晋三首相(自民党総裁)は14日、香川県坂出市で街頭演説し、「株価も上がり、きのうは21年ぶりの高値になった。年金は株式市場で運用しているから、皆さんの年金財政はしっかりとしたものになっている」と強調。アベノミクスを一層加速させる考えを示した。
 首相はまた、子育て世代への支援を強化する「全世代型社会保障」を目指すと改めて主張。2019年10月に消費税率を10%に引き上げて財源を確保することが前提の公約だが、増税の是非が論争の的になるのを避けたいためか、この日は増税に言及しなかった。
 一方、公明党の山口那津男代表は福島市で演説し、消費税増税時に軽減税率導入を実現するとアピール。増税に反対する野党を「少子高齢化社会の将来に責任を持たない政党だ」と非難した。
 希望の党の小池百合子代表は神戸市での街頭演説で、アベノミクスについて「これだけやっているのに(成果が)まだまだ不十分」と批判。規制改革や情報公開を徹底し、「無駄遣い削減」で財源を捻出する考えを示した。
 希望は公約で、消費税増税を凍結する代わりに、大企業の内部留保への課税を検討すると明記した。しかし、経済界から「法人税との二重課税になる」と激しい反発を受けると、小池氏は一部メディアのインタビューで「課税にこだわらない」と事実上修正。公約が十分に練られていなかったことが浮き彫りとなった。
 共産党の志位和夫委員長は東京都内の演説で、安倍政権が進めた法人税減税を批判し、「これにメスを入れると財源はきっとある。その財源で教育や子育て、若者に予算を付ける」と主張した。
 立憲民主党の枝野幸男代表は都内で「豊かな者をさらに豊かにしても格差が拡大するだけ」とアベノミクスを問題視。最低賃金引き上げなどによる「分厚い中間層の再生」を唱えた。
 日本維新の会は、国会議員の定数・報酬削減などで財源をつくり、消費税増税に頼らない教育無償化を訴えている。