トヨタ自動車のディディエ・ルロワ副社長は25日、電気自動車(EV)の航続距離を伸ばせるとされる次世代電池「全固体電池」を2020年代前半に実用化する方針を明らかにした。EV投入で出遅れが指摘されるトヨタだが、実用化できれば競争力は一気に高まりそうだ。

 現在、電気自動車やハイブリッド車(HV)用で主流のリチウムイオン電池は液状の電解液を使う。これに対して全固体電池は、その名の通り全て固体。安全性が高いうえに軽く、「究極の電池」とも呼ばれる。

 ルロワ氏は東京モーターショーで記者会見し、全固体電池について「航続距離を飛躍的に改善する潜在能力があり、ゲームチェンジャーになりうる」と説明。200人超の体制で開発を進めていると述べた。全固体電池をめぐる特許の数ではトヨタが世界一だ、とも強調した。全固体電池を載せるEVの発売時期は明らかにしなかった。

 トヨタは昨年12月にEV開発組織を設置。デンソーやマツダとEVの基盤技術を開発する新会社を今年9月に立ち上げた。

配信2017年10月25日14時56分
朝日新聞デジタル
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