高松義行市長が「庭園を通じて市民が希望を持ち、安心して暮らせる町づくりを進める」と述べた。渡辺由紀雄市議会議長もあいさつし、内堀雅雄知事、ポール・マデン駐日英国大使、レディ・ボリック前英国下院議員らが祝辞を述べた。
東日本大震災後の2015(平成27)年に復興状況の視察で同パークを訪れ、庭園整備のきっかけをつくった英国のウィリアム王子と、メイ首相、チャールズ皇太子、安倍晋三首相のメッセージが披露された。
ウィリアム王子はメッセージで「英国庭園と英国の福島庭園は日本と英国の人々の絆の強さと温かさを気付かせてくれる。この絆が花開き続けることを私は確信している」と祝福した。
本宮「訪問者の拠点」完成
「本当に素晴らしい庭園だ。英国に戻ったら多くの人に伝えたい」。英国県人会「ロンドンしゃくなげ会」の満山喜郎会長(70)=白河市出身=は感慨深げに語った。4日開園した本宮市の英国庭園。式典やレセプションに出席した関係者は、英国庭園と英国にある福島庭園が育む交流の未来図を思い描いた。
満山氏は7月に、本宮市と福島庭園のある英国ケンジントン&チェルシー王立区との姉妹庭園協定締結に尽力。英国庭園について「県外、国外からの訪問者の拠点となる」と期待を込めた。本宮市が来年度以降も中学生の渡英を検討する中、「子どもたちの人材育成をサポートしたい」と協力する考えを示した。渡英した本宮市訪問団の中学生も開園に思いを寄せる。柴原ももさん(白沢中3年)は「自分たちより年齢が下の世代まで続くような交流を考えたい」と笑顔を見せた。
英国庭園は約1600平方メートルの敷地に、帯状にデザインされた花壇「ボーダーガーデン」や水性・湿性の植物園「ウオーターガーデン」などが設置されている。高木5本、中木約370本、低木約590本、地表を覆う植物約120種類、約5500株が植栽されており、来春に本格的に植栽を始めるバラなどを含め、庭園全体が見ごろになるのは2、3年後になる見込みだ。式典では、関係者がテープカットし、英国で親しまれているベニバナヤエサンザシを植樹した。
レセプションでは、本宮豆腐や福島牛など県産食材をふんだんに使った英国のティーパーティーの料理が振る舞われた。式典とレセプションには福島民友新聞社から五阿弥宏安社長が出席した。
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