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納豆の人気が高まり、2017年の消費額は過去最高を記録した16年をさらに上回る勢いとなっている。
安くて栄養豊富な点が節約志向にマッチし、最近は高めの商品も健康重視の女性らに売れている。
地域や世代間で消費に差があり、消費額が昨年最多だった水戸市や業界関係者は粘り強く魅力を
発信している。

全国納豆協同組合連合会(東京)によると、業務用を含む16年の消費額は推計で2184億円。
11年比で26%増え、以前のピークの04年を超えた。タンパク質やカルシウムが多く、価格は手頃。
保存も簡単で「消費者ニーズにぴったり」(同連合会)なため、高齢の単身世帯などでよく売れている。

総務省の家計調査では、16年の1世帯(2人以上)当たりの納豆消費額は前年比5%増の3835円。
17年1〜9月も前年同期を2・5%上回っている。

食品スーパー向け商品や土産品を中心に約20種類を製造する納豆メーカーのだるま食品(水戸市)は、
特にスーパー向けの販売を伸ばしている。同社産納豆の原料は全て国産大豆。高野正巳社長は
「少し高くても、消費者はこだわりの商品を手にする傾向が出始めている」と、さらなる消費拡大に
期待を込める。

舟納豆で知られる丸真食品(常陸大宮市)も、前年に比べ、売り上げが10%増と好調だ。小堀進専務は
「かつての輸入原料による価格競争が落ち着きつつあり、市場での国産大豆の比率が高まっている。
このため、商品単価も上がっており、消費額の増加に影響しているのではないか」と分析した。

都道府県庁所在地別の16年の1世帯当たり消費額は水戸市が最多の5563円で、全国1位を奪還した。
盛岡市の5562円、福島市の5388円と続く。最少の和歌山市(1766円)など関西は伝統的に少ないが、
5年前に比べ大阪市などで消費は上向きだ。

「納豆の本場」として、水戸市や県、製造業者でつくる団体などは消費拡大を促す催しを展開。
街頭イベントや市民講座、納豆早食い大会の開催などでPRに努めている。

連合会の調べでは、若者の間でも食べる頻度が増えつつあるが、消費額は中高年に比べてまだ少ない。
担当者は「小さい頃に食べれば大人になっても習慣になる。学校給食で出して親しんでほしい」と話している。

★納豆消費の地域差
全国納豆協同組合連合会の6月の調査では、週1回以上納豆を食べる人の割合は東北の75・6%に対し、
近畿は48・8%、中四国は47・3%だった。東日本沿岸では冬の休漁時の重要な備蓄食だったが、
そうした伝統のない西日本ではにおいやネバネバした食感への苦手意識があるようだ。
年代別では50代以上の64・7%に対し、20代は55・8%。全体として男性の割合は女性より低い。
以前より食べる頻度が増えた人の割合は20代が最高で、地域別では中部、関東の順で高かった。