【北京時事】中国訪問中のトランプ米大統領は9日午前、北京の人民大会堂で習近平国家主席と会談した。トランプ氏は「米中関係は最も重要」と強調。焦点の北朝鮮の核・ミサイル問題については「解決できると信じている」と述べた。一方、習主席は、米中協力は「唯一の正しい選択だ」と指摘するとともに「北朝鮮核問題での連携・協調を強化する」と語った。

習氏は会談で「多くの共通認識を得た」とした上で、米中関係が「今年に入って重要な進展を遂げた」と評価。さらに「中国は中米関係の新たな歴史の起点に立ち、米国と相互尊重、互恵協力を進め、対立点をコントロールし、両国国民、ひいては世界の人々により多くのものをもたらしたい」と表明した。
 
首脳会談では北朝鮮への対応や、中国の対米貿易黒字の削減など米中経済の「均衡回復」(米当局者)が焦点となった。トランプ氏は、対中国をはじめとする米国の貿易赤字に言及し「われわれは政策を変えなければならない」と語った。両首脳は首脳会談後、米中両国企業による貿易・投資関連の契約署名式典に立ち会った。

10月の共産党大会を経て2期目の党指導部を発足させた習氏にとっては、トランプ氏の訪問は「大国外交」が本格始動する重要な舞台。8日には、北京入りしたトランプ氏を明・清朝時代の皇宮「故宮(紫禁城)」で歓待し、夕食を共にするなど、手厚くもてなした。

最重要議題となる北朝鮮問題をめぐりトランプ氏は先に、中国が「われわれを手助けしている」と評価した。だが、「中朝国境では一定程度の貿易が続いている」(米当局者)とされる。トランプ氏は首脳会談で、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議の厳格な履行などを求めたとみられる。

配信(2017/11/09-13:39)
時事ドットコム
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