>>218
殺気立った機動隊員たちが駆け足で進んでいくと
川と住宅に挟まれた小道に行き当たった
奥からはただならぬ気配

横列を崩し一列になって進んでいくと道の中ほどに一人の老人が
年齢の割りに張った肌、すっと立つ姿には気品と狂気を漂わせ、手には包丁
整った顔立ちの中ほど冷ややかな目元には固い決意の炎

どけ、爺さん
じゃかましい、断る
俺たちは通らねばならん
無論通さん!

是非もない殺れと隊の中ほどから響く低い声
徳川の犬など豊久公の元には一人も行かせぬわと不敵につぶやく爺さん

これが世に言う島津の退き口、堺の戦いである