「怖い絵展」空前人気3時間半待ち 30代以下多数
11/20(月) 9:51配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171120-00057366-nksports-soci
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「怖い絵展」行列最後尾。延々と続いている

 東京・上野の森美術館で開催中の「怖い絵展」が空前の人気となっている。美術ファンだけでなく、10〜20代も訪れ、平日でも1時間半待ち、土日は2時間待ちの行列ができ、最高3時間半待ちになっている。
16日から開館時間を午後8時まで延長したが、行列は縮まらず、この秋一番の話題の東京国立博物館の特別展「運慶」を上回る人気ぶりだ。

 真冬並みの寒気が入った19日も、上野公園には長蛇の列ができた。最後尾に「現在120分待ち」のプラカード。40分待ちの「運慶」の3倍になった。

 「怖い絵展」というネーミングから訪れる人も多いが、見るからにおどろおどろしいスプラッターではなく、「絵に隠された物語を読み解いていくと、戦慄(せんりつ)が走り、怖さが浮かび上がってくる作品」(企画した産経新聞文化事業部・藤本聡部長)だ。
背景や隠された意味を知った若い世代がSNSで「面白い」「絵の見方が変わった」と伝え合ううちに火が付いた。美術展では珍しく、入館者の半数以上が30代以下だ。

 展示されているのは、18〜20世紀初めの欧州作品約80点。
日本初公開の「レディ・ジェーン・グレイの処刑」は夏目漱石がロンドン留学中に見て衝撃を受け、短編小説「倫敦塔(ろんどんとう)」に「余の洋袴(ズボン)の膝に二三の血が迸(ほとばし)ると思った」と書いた作品だ。

 イングランド初の女王となったジェーン・グレイは9日でその座を追われ、16歳4カ月で処刑される。純白のドレスのジェーンは目隠しされ、首を置く台を手探りしている。
ギロチンはまだ発明されておらず、傍らには大きなオノを持った死刑執行人が立つ。床に敷かれたワラは、残酷な最期を迎える清楚(せいそ)な少女の血を吸わせるためと知ると、恐怖は増す。