佐賀県鹿島市で昨年9月、長年介護してきた足が不自由な妻=当時(71)=を、首を絞めて殺害したとして、殺人罪に問われた無職江口末秋被告(71)の裁判員裁判で佐賀地裁は20日、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役5年)の判決を言い渡した。「命が奪われた結果は重大だが、献身的に介護を続けてきた被告を強く非難できない」と述べた。

 判決理由で吉井広幸裁判長は、被告の負担や不安は解消されず、自分以外に介護をできる人はいないと思い詰めて心中を決意した、と指摘。「孤立しながら介護に苦しむ人に対し、適切な支援が行き渡るような仕組みがあれば、今回の事件は避けられた」とした。

配信2017/11/20 19:19
共同通信
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