http://yomiuri.co.jp/national/20171123-OYT1T50024.html

 神戸市の新しい母子健康手帳が好評だ。

 10月から子ども服メーカー「ファミリア」(中央区)考案のデザインに刷新したところ、従来版を使う女性からも「交換してほしい」などの要望が300件近く寄せられた。思わぬ反響に市は急きょ、従来版とセットで使える「追補版」の発行を決め、来月1日から配布することにした。市の担当者は「子育て世代の増加につながれば」と期待している。

 母子手帳は、母子保健法に基づき、妊娠した女性に自治体が無償で配っている。神戸市は1999年から表紙がピンク基調のシンプルなものを採用していたが、「子育て世代により親しまれるものを」と、今年5月に公募を実施していた。

 新版は、通販大手「フェリシモ」(同)が企画し、ファミリアがデザインを担当。ファミリアの定番商品のデニムバッグを模し、クマの親子や神戸ポートタワーなどのアップリケをあしらったデニム生地の写真を表紙に採用した。記録欄はオールカラーで、ウサギやリンゴなどのキャラクターもちりばめた。

 9月に市が新版を公表すると、インターネットなどで「かわいい」とたちまち話題に。配布開始日を10月2日以降としていたため、妊娠がわかっていても、その日まで妊娠届の提出を待つ女性が相次いだ。さらに、従来版との交換を求める声も集まったため、市は、新デザインを取り入れたうえで、親から子へのメッセージを書き込める欄などをまとめた12ページの冊子を追加で作成した。

 対象は現在妊娠中か、就学前の子どもがいる女性ら。神戸市に住民登録している必要があり、各区役所などで受け取ることができる。転入者でほかの自治体の母子手帳を持っている人も含まれる。

 市イベント案内・申込センターへの事前予約(来年2月28日まで)が必要。市によると、現在、電話が集中しており、つながりにくくなっているという。

◆他自治体も工夫

 母子手帳のデザインに工夫を凝らす自治体は広がりつつある。

 奈良市は2013年度から、同市出身の人気デュオ「KinKi Kids」の堂本剛さんがデザインした手帳を配布。赤ちゃんが地球の下で両手を上げているイラストが入っており、人気を呼んでいる。

 ほかには、兵庫県豊岡市がディズニーのミッキーマウス、埼玉県春日部市がクレヨンしんちゃんなどのアニメキャラクターを使っている。(岸本英樹)

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