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大人の娯楽として認知度の高いパチンコだが、昨今では騒音や周辺環境に与える影響、ギャンブル性、射幸心をあおりやすいなどの指摘を受け、厳しい立場にある。震災時にも自動販売機と共に節電の矢面に立たされたのを覚えている人も少なくあるまい。パチンコの利用者は昔と今でどのような違いが生じているのだろうか。総務省統計局が2017年7月14日以降順次結果を発表している2016年社会生活基本調査などの結果を基に、その実情を確認する(【平成28年社会生活基本調査】)。

若者のパチンコ離れは確実に

今調査の調査要綱は先行記事【ボランティア活動の実態をグラフ化してみる】を参照のこと。

まず最初に示すのはデータが取得可能な1986年以降のパチンコの行動者率(調査日において過去1年間に1日でもパチンコを利用した人の割合)と行動者数。1986年から1991年は15歳以上が、1996年以降は10歳以上が対象となっているため、厳密には双方に連続性は無い。

さらに1986年と1991年分は総数の行動率における計上がされていない(対象年齢が異なるためだろう)。1996年分以降は一部で10-14歳の値も確認できるが、風営法上入店はできないはずであることから、何らかの誤回答の可能性も否定できないため、今件では考察から外している(総計人数でも除いている)。

(略)

明らかに男女とも、パチンコの行動者率は減少の一途をたどっている。1996年当時は男性で3割近く、女性でも1割近くがパチンコに年1日以上足を運んでいたが、直近の2016年では男性は14.0%と約半分、女性に至っては3.2%とほぼ1/3にまで減っている。

行動者数では1991年がピークで、男性は1759万人、女性は558万人。しかしそれ以降は確実に減少し、ピーク時と比べて直近の2016年では男性が4割強、女性は1/3強にまで減ってしまっているのが実情である。

これを年齢階層別に見たのが次のグラフ。年齢階層の仕切り分けを古い調査にあわせてあるので、昨今の調査よりは粗いものとなっている。

(略)

まず行動者率だが、男女共に若者のパチンコ離れが顕著な形で表れている。特に女性において著しい。一方で高齢層では逆に行動率が上昇しているのが確認できる。パチンコの高齢化状態がよく分かる。

行動者数の動向でも同じ状況が確認できる。特に30代までの急落が継続状態になっていること、40代と50代も2006年までは大きく減少していたことが一目瞭然。他方、60代以降はむしろ逆に増加しているのが興味深い。

ただし50代までの減少分と60代以降の増加分では、前者の方がはるかに多いことから、全体としてはパチンコ人口は減少している次第ではある。また60代前半も(女性は特に)漸減の傾向にあることから、今後はパチンコ人口がさらに減ることは容易に想像できる。

ハードパチンカーも減少中

最後にパチンコの利用頻度で一番高頻度の「年200日(週4日)以上」に該当する人(今記事ではハードパチンカーと命名)の具体的人数を、総数と年齢階層別に算出したのが次のグラフ。1986年と1996年の調査では頻度の結果が非公開のため、グラフにも反映されていない。

(略)

まず総数だが、男性は大よそ減少傾向、ところが女性は増加傾向にあった。直近の2016年では大きく減っているのが幸い。

これを年齢階層別に見ると、男性は単純なパチンコ利用者同様に現役世代が減少し、60代以降が増加する動きを示している。ところが女性の場合、60代以降の増加傾向と60代前半の微妙な動きは単純なパチンコ利用者の動きと同じだが、現役世代の動向は法則性が見出しにくい状態となっている。あえて言えば20代までは減少傾向にあると読めるぐらいか。

元々人数が少ないため統計上のぶれが生じている可能性はあるが、そして人数の上では男性と比べてはるかに少ない値だが、女性のハードパチンカーの動向には今後注意を払う必要があるに違いない。