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>そして再び、最初の問いに戻る。なぜ日本は捕鯨を続けるのか。

私は最近、日本政府高官の内輪の懇談会に出席した。今季の捕鯨船派遣はすでに発表されていた。なぜ自分が捕鯨の必要性に納得できないのか、かいつまんで話し、答えを求めた。答えは驚くほど率直だった。

「私も同じ意見だ」と高官は言う。「南極海の捕鯨は日本文化の一部ではない。国際的なイメージがとても良くないし、鯨肉に対する商業的な需要もない。あと10年もすれば、遠洋捕鯨は日本から姿を消すだろう」。

「それならなぜ今止めないのですか」。同席していた別の記者が尋ねた。

高官は「今は止めにくい、重要な政治的理由がある」と述べただけで、それ以上語らなかった。

前出の佐久間さんは、日本の捕鯨は政府が行っていて、研究予算や毎年の計画、出世や年金がかかった官僚の大きな構造が作り上げられているのが理由だと考えている。

佐久間さんは、「官僚は自分がトップを務めている間に担当者が削減されたりするのは、非常に恥ずかしいことだと感じる」と指摘する。

「そのため官僚はほぼ全員、捕鯨関連の部署をどんなことをしても維持しようとする。政治家もそうだ。自分の選挙区が捕鯨との関わりが強ければ、商業捕鯨の再開を約束するだろう。議席を守るために」。

とても陳腐に聞こえるかもしれない。しかし、日本が捕鯨を続ける決意が固いのは、捕鯨関係者が多い選挙区から選出された数人の国会議員と、予算を失いたくない数百人の官僚たちのせいと言えるかもしれないのだ。

http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-35529672